この週もルアーの軌道や魚の動きで水中が青く淡い光を放っていたが、湾奥は尚も好調をキープ。
特に湾奥の西側に平均サイズ約55cmの群れが入っていてベイトの小魚とバチに多くの魚が着いていた。

4月29日は朝から豊海へ。
潮まわりは若潮の午前中ということもあってあまり動きがよくない。
夜はエビ、バチを、昼間は小魚を食べている高活性な魚だけに、目の前にルアーを通してやれば意外なほど食いは活発だ。

豊海の岸壁を手当たり次第探り、ローリングベイトのジャーキングにヒットしたのは54cmと52cm。



釣り上げたあと魚が吐き出したのは消化寸前の夜のうちに食べたであろうイワシと無数のアミ。

それからその日の夜に、仲間を誘い場所を変えて芝浦の運河筋へ。
干潮時間からの釣りだが、ほどよく潮位を保った運河の護岸際で水面の割れる音がごくたまに聞こえる。
単調な護岸が続く水路のような運河なので、ボトムに際立った変化などない。
魚が着いているのは圧倒的に岸際だ。
そこにいて、寄ってきたバチや離れていこうとするバチを食っているのだ。

普通バチ抜けの釣りと聞けばオープンエリアで四方八方ライズのあるところにキャストして釣るイメージが強い。
この場合は違う。
護岸際、もしくはストラクチャーに着いた魚をピンポイントキャストで狙い撃ちするというものだ。
潮位変動の少ない日はバチ抜けが大量に起こりにくい。
魚は数少ないエサをとろうと、より競争心が高まるので、魚がいるところにルアーを通せば食ってくる確率は極めて高い。
しかし、大量バチ抜けのような短時間で20,30匹という釣果は望めない。
こんな日はジアイが極端に長いので、あくまで活性の高い魚を何箇所か叩くことで、いかに多くストラクチャーから引きずり出せるか、
そんなところが面白くなってくる釣りだ。

ルアーはにょろにょろ。
まずは運河の護岸際から丹念に攻めていく。
キモはレンジを必ず水面から5cm以内にキープすることと、ルアーを違和感なく引いてくること。
特に静かな水面では注意するべき点だ。

で、ファーストフィッシュは風通しのいい運河の一角で出た。
護岸際を引いてくるとモワン・・とバチを捕食するときの特有な水面の盛り上がりが出る。
が、惜しくも反転どまりで見切られてしまう。
次のキャストで少し際から離れたところから岸に近づけるように引いてくると、
護岸際に達したところでバコッ!と水面が炸裂!

初っ端からジャスト60cmが飛び出して幸先のいいスタートを切る。



同じパターンで一つの護岸の面を攻め倒し、59cmグッドコンディションの魚が出ると立て続けに50cm前後の魚を3尾追加。



仲間はというと、なかなかバイトを引き出せず大苦戦。
仲間を先行させて打たせてあげるがダメ。
僕が仲間のあとからキャストしていくと何故かその人の足元で水面が炸裂するのだ。
そんなことを連発すると、なんで自分に食わないのか混乱していく仲間。
おそらく魚が反応するタイミングを計れないのか、この場所ではノーバイトに終わってしまった。
混乱気味の彼の気分を変えるべく次にストラクチャーメインのポイントへ向かう。

ポイントに着くと風が消えたことに気づく。
少しでも風が出ていれば風の当たっている護岸、ストラクチャー際に魚が集まりやすいのだが、
潮が動かない分、風がないと魚が一箇所に集中せず散ってしまっていてそれはそれで釣りづらい。

と思った矢先、水面から1mの深さあたりで10cm前後のイワシの群れを発見。
ルアーをスレッジに付け替えてフッコサイズが2尾ヒットしたが、いまいち食いが立たない。
どうやらバチへの執着がひときわ強く、イワシをよけてバチを食う魚もいる。

とりあえずにょろにょろで護岸際、縦ストラクチャー、係留船と目に見えるモノの際という際を通す。
その中で最も活性が高く躊躇せずにバイトしてくる魚は、明暗部の暗い中や係留船の下、特に真っ暗な場所で簡単に引っ手繰っていく。
中にはストラクチャーの奥で食ってしまう場合もあるのでドラグは完全に絞めた状態でヒット直後のエラ洗いを利用し、
一気に引き離す。

結局、ストラクチャーメインのポイントを2箇所まわり散っている魚を拾い集めてここでも60cmをキャッチ。



割りとサイズがいい中でこれまた60cm後半サイズを掛けるものの暴れまくったあげく、シングルフックを折られてしまった。
この魚は惜しかったが、終わってみれば3箇所をまわって18尾をキャッチ。
仲間は3箇所目にコツを掴んだらしく4本キャッチすることができた。


翌日30日は釣具屋の友人を釣れて芝浦界隈を散策。
当然バチパターンで1箇所目からヒット有りと、この日もいいスタートでストラクチャーに着いた魚を引きずり出し、自分は7本キャッチ。
お互いこの日、最大の63cmを一尾づつキャッチしたところで終了。



「使用タックル」
ロッド:
ジャクソン・ピアーランブラーG862PR
リール:
ステラSW4000HG
ライン:
東レ・ソルトライン シーバスPE 20lb
+ショックリーダー
東レ・ソトラルイン〈フロロショックリーダー〉25lb
ヒットルアー:
にょろにょろ