この日、友人のマサヤから一本の電話があった。
釣りの誘いだ。
東京で働いているのだが、ついこの間まで長野へ転勤になるかもしれないということで何かと忙しかったらしい。
それが16日からともあって忙しいんだろうと思っていた矢先の電話。
聞いてみれば転勤が中止になったそうだ。
むしろ今の仕事場が嫌で長野に行きたかったんだと豪語するちょっと変わった人なのだ。
釣りに関してもかなり変わっていてどうやって釣れたのかとかルアーはなんだとか、
その状況の詳細とこと細かく聞いてきて彼自身で持っている”釣りノート”に色々と書き込むのだ。
本当に勉強熱心な人で関心してしまうほど。。

マサヤとは小学校からの付き合いで同じ野球部に所属し中学になってから釣りにいくようになった友達。
シーバス釣りに最初に誘ってくれたのも彼だった。
昔からそうだった、ひとつの物事に集中してしまうと周りが見えなくなって、一度、歯車が狂うとずっと空回りしちゃうんだったね。
でも、そんな彼も今や僕を頼って電話をかけてきてくれることは非常にうれしいことだと思う。
だから今になっても一緒に釣りにいってるんだ。
で、彼にとっては久々らしいシーバス釣り。
最近、絶好調の荒川へ向かうことにした。

シャロー、ブレイク、ストラクチャーと間隔のバランスがとれたポイント。
満潮をいくらか過ぎたところで立ち込むことにした。

ポイントに着いてさて立ち込もうとするところで、どこからかともなくパコッ!パシュッ!と2連発で捕食音。
マサヤがリーダーを組んでいる横で、ストラクチャー際から通り過ぎるベイトを捕食中の数匹を狙う。
スネ丈までそっと入ってTKLM90をその向こうまでキャストする。
着水と同時にリトリーブ入ってストラクチャーとストラクチャーの間をゆっくりと丁寧に通してやる。
ちょうど、ストラクチャーから出たヨレの中で水面をフラフラと漂っていたTKに勢いよく出てきたのは・・・


58cm。

もう一発通すと今度は54cmがバコッ!


で、マサヤがリーダーを組み終わったところでモモ丈まで浸かってみる。
流れは次第に勢いよく流れ出し、雰囲気だけはよくなってきた。
まだ潮位は高く、岸際にいるイナッコがなかなか外に出ようとしない。
変わりに流れの中にいるサッパをしきりに食っているようだ。
明暗部にはライズすら出ない。
だけど魚はいくらでもいる。

ルアーをサスケに換えて明暗部を攻めること数投目。
シャローエリアでバイトが爆発する。


↑まずは68cm

続いて50〜55cmくらいのを立て続けに2本追加する。
潮位がだいぶ下がったところでシャローエリアから魚の反応が消えた。

そこでヨレヨレにチェンジ、ブレイクラインより先を狙う。
フルキャストで明暗部の上流側数mに着水させるとテンションをすこ〜し張ったまま落とし込んでいく。
明暗部に差し掛かるか掛からないかってところでリトリーブに入ると必ずバイトが出る。
1キャスト2バイトペースで魚の反応を拾いつづける。

途中でコンッ!のバイトの後にグッ!と押さえ込まれるようなバイト。
大きくアワセて一気に流れから引き離す。


ヨレヨレにガップリの63cm。

さらにバラシをはさんで
61cmがヒット。
こうなるともう止まらない。立て続けに2本の同サイズをバラす。。

レンジは50cm〜1m前後。
リトリーブ入った直後の浮き上がりでついばむようなバイトが連発する。


こいつは60cm。
リトリーブ中の抜き、ドリフトしながらフォールしていく瞬間にもバイトが出る。

そんな感じで食ってきた56cm。


そろそろ流れも干潮に近づいたということで緩くなってきた。
おまけにヨレヨレにも反応が乏しくなってくる。
そこでルアーをローリングベイトにチェンジ。
使い方のイメージはヨレヨレとあまり変わらない。
ルアーウェイトも似たようなもんだし。
だけどヨレヨレでも取れなくなった魚をとれるのがローリングベイトなのだ。
だから最後の最後、もう無理だと思ったときに出すファイナルウェポン。
案の定、数投目でヒット。


なんなく55cmをキャッチ。

そして潮が完全に止まり、上げに入るか入らないかのところでローリングベイトのデッドスローに食ってきたのは

70cmジャストのプラチナボディー。
これを最後に釣り場をあとにした。

ミノーでは取れない魚たち、バイブレーションでも取れない魚たちがいる。
そんな魚がいることに気づかなければこれらの魚をとることは出来なかっただろう。

そうそう、あのマサヤは大苦戦。
立ち位置をチェンジしたり、キャストポイントを説明したりしてがんばってもらったが、
バイトの出る場所を感覚的につかめず結局最後までノーヒットに終わってしまった。

「ポイント」:荒川
「使用タックル」
ロッド:
プレジール88Crazy Hunter
リール:
ステラSW4000HG
ライン:
東レ・ソルトライン シーバスPE 20lb
+ショックリーダー
東レ・ソトラルイン〈フロロショックリーダー〉40lb
ヒットルアー:
TKLM90
ヨレヨレ
サスケSS95壱
ローリングベイト77