やってきた湾奥の冬。
大晦日は散々な目にあったが、年明けの初釣りはなんとか1本釣ることができたわけで
毎年、出だしがよくなくてゆっくりペースを上げてくのが釣りのリズムだったんだが
今年は幸先がいい。

港湾部はまだセイゴがでしゃばってて思うようなサイズはなかなかでないはず。
ちょっと年初めはサイズを狙ってみようかと。

ターゲットはもちろん

だいぶ水温も低下してきて安定したかに見えた旧江戸に向かう。
水の中にはいってしまえば寒くないんだろうが、やっぱりスニーカーを選ぶ。
さっきまで仲間がやっていたポイント。
いつにもまして寒い夜だが、風がないだけマシだ。
一人シャローエリアの一角でその時が来るのを集中力を高めて感じ続ける。


流れの出やすい下げまわり、効きだした流心の流れがジワジワと実にゆっくり速度を上げていく。
その手前にあるだろうブレイクで外側の潮と内側の潮のスピードがキレイに別れはじめる。
キャストごとに水面に浮いたラインの反応を見つつ、流れの筋を見つけていく。
あらゆる角度でキャストを繰り返し、絶えず変化する状況を見定めていく。


超スローな水面の変化。
そこにすべての情報が見え隠れする。
一心不乱に見逃しがちな変化を捉えながら頭の中でありとあらゆるパズルを組み立てる。
その面白さ、この先に出来上がったパズルの絵柄をイメージしつつ、必ずしも出来上がるとは限らないことを
承知しながらパズルを組み立てていく自分がいる。


その先に何があるのか。
ロッドを振った者にしか分からない貴重なモノ。



動き始めたシャローの水面で単発のベイトがうずきだす。
ニゴイとマルタのモジリが所々で広がりだすと同じ視界にシーバスのモジリが入ってくる。
時は近い。


まだ水面の変化を見続ける。

シャローの水面を勢いよく駆け抜けるベイト。

潮が動くとそれを狙って流心からシャローに入ってくるシーバス。

どのピンポイントで待ち伏せするのか。

妄想が頭の中を駆け巡る。


さらに増していくシャローを流れる潮のスピード。

水面直下ギリギリを大きなU字で誘う。

今が最大のチャンス。


鏡のような水面。

ブレイクを超えたTKLM90をロッドを立ててデッドスローで引っ張ってくる。

U字を描き、その終盤に差し掛かった。





ばふっ!!





ルアーが岸と平行に近くなった瞬間、ボトムのストラクチャー裏で突然、水面が炸裂!

がっつり合わせた直後、おそらくあったであろうボトムストラクチャーの近くから引き離す。

そこからブレイク方向へ走り出す魚をその手前で止める。

異様に元気なのが気がかりだが、足元へ何度か突っ込んだあと、そっと手を差し伸べた。


今年2本目の魚は88cm



文句なし。
決まり手は水面直下デッドスロー。


答えが見えたときの気持ちよさ。
これにて満足。


ポイント:旧江戸川
「使用タックル」
ロッド:
DEFI・プレジール88Crazy Hunter
リール:
シマノ・ステラSW4000HG
ライン:
東レ・ソルトライン シーバスPE 20lb
+ショックリーダー
東レ・ソトラルイン〈ナイロンショックリーダー〉30lb
ルアー:
TKLM90