週末の夜中に向かったのは伊豆だった。
東名、小田原を抜け、熱海、伊東と東伊豆をひた走る。


目的の肴は仲間いわく火星人こと アオリイカ!
とにかく今回は単独釣行なので気楽にやりたいようにやる。
って言っても真面目にアオリイカを狙ったこともなく、初心者もいいところなのだ。
持っていったエギはわずか4個。
というか自分の持ってるエギをすべて持っていく。
なくなったら現地で買えばいいや、そんな感じ。



朝、南に行く途中でとある地磯による。


海況が微妙に甘いが、折角なのでちょっと寄り道してヒラとかやってみる。
寄り道にしては長い2時間ほど。
ベイトはたんまりいるも、やっぱり出ない。


磯の隙間にところどこと咲くユリを見ながら来た道を戻る。



もう一箇所叩こうと思ったがやめて南を目指す。


やっと到着したところで南伊豆のメジャー堤防へ偵察。



小さなタカベに


マメアジ。



こんなのがサビキでたくさん釣れている。
地元のおばちゃんは唐揚げが飽きたので南蛮漬けにするらしい。
その様子を見る限り、潮の動く時間帯にやってればだまって1束、2束は釣れそうな勢いだ。


その日の午後、色んなポイントを見て周りながら素人なりに良し悪しを判断してポイントを厳選していく。


ひとつの小さな漁港。
堤防の先端には泳がせでやってるアオリ釣り師が一人いる。
話を聞いてみると少し前に1,5kgくらいのが1パイあがったよ、と教えてくれた。
ここならいけるかもとタックルを組んでおじさんの手前に入らせてもらう。
水深は浅く、手前にはウィードが生い茂りミオ筋が隣接している。
いかにもといった雰囲気だが、ややウィードが薄い。


30分ほどエギをしゃくり続けたところで手前のウィードの中に全長30cmくらいのアオリを発見!
よく見ればウィードとウィードのポケットにいる。
微妙な角度でポケットへとエギを落としていくが無常にも逃げてしまった。
見えるイカってどうやって釣るんですか?と誰かに聞きたいくらいもどかしい。


それから1時間ほど粘ったが軟体系の生命反応はない。
隣のおじさんもアタリなし。
仕方なしにポイントを変えるべく車を走らせる。


夕暮れ近く静寂の中、霧が山と空を覆う幻想的な世界が広がる。

すごく空が低い。


それから幾つかの漁港を通り過ぎ、何気なく一つの漁港へ迷い込んだ。


そうそう今回、頼もしきパートナーは最近出たばかりの「よくばりソルトゲームマニュアル」って雑誌。
自分も出てるんだけども、その本のアオリイカのページをこと細かく読みつくす。
なになに? 伊豆では6月末〜7月にかけては1日2〜3kgクラスの二桁釣りもできるだと?

ナヌ? おぉ!!まさに今じゃ〜ぁないですか!!

素人じゃそんなにたくさん釣れないとしても可能性は高い。
この時点でテンションは80%をマーク。
そこにはウィード周りとボトムを攻めろ!と書いてある。


堤防から水面を覗くと足元にはびっしりとウィードがあって
そこからなだらかに水深とともにウィードのトップが深くなっている。
さっきの所よりは水深がありそうだ。
今日はここで粘る、そう決めて釣り座を選ぶ。


先行者は3人。
とは言ってもサビキ釣りの夫婦が一組と投げ釣りの人が1人いるだけでアオリを狙う人はいない。
でもここで釣れていただろう形跡だけはある。


エギは3、5号だけ持っていけば大丈夫だと言われたので3、5号をセット。
たしかアオリーQだったとおもう。
タックルはシーバスに使っていたものをそのまま使用。


しかもラインは細いのでって言われてたのに巻きかえるのを忘れてしまった。
巻きかえるラインもないのでとりあえず、フルキャストしてボトムをとる。


風はほぼ無風。
風裏なのかほとんど風を感じないので釣りはしやすそうだ。

潮は効いていてゆっくりと左に流れていく。
ボトムまでしっかりと落としてパンパンパン!!とテンポよくしゃくってくる。


日が完全に落ち、あたりが薄暗くなる時間帯。
ボトムをとり、パンパンパーン!としゃくってはカーブフォール。
それを繰り返す。
じゃくっては落とし、しゃくっては落とす。


その2フォール目。


ぴん!

ん??



ジィイーーーーー!




お〜!!!
なんじゃこりゃ!!!???


いきなりラインがピンと張って合わせると3mほどラインが出た。
驚きを落ち着かせてゆっくりとファイトする。

やべ〜結構いいサイズなんじゃないの?とか思う反面、
頼むから外れないで!って強く想う。

なかなか浮かない。


ジィイーーーーーーーーーーーーー!
(さらに8mほどラインが出る)

お〜!!!
すげ〜!超たのしい♪



出ては繰り返しを続けると足元にブワ〜ンと茶色の物体が浮いてきた。

そんな楽しみもつかの間で、いよいよ緊張のランディングである。

なんとか頭からネットですくおうとするも、ネットを見た瞬間にブッシャ〜〜!と逃げる逃げる。

足元で何度か突っ込まれ疲れを見せたところで頭からすくいにはいる。

よし!



どうやって持ったらいいか分からず頑張ってもってみる。

よっしゃ〜!!初のキロオーバー、2キロのアオリイカGET!
(この1パイのアオリでこの釣りに心奪われたのは言うまでもない。。)


アングラーがいなのもあってかなり不安だったが、ポイント選びに間違いがなかったことを確信。
これで止めるわけがなく、次を狙う。


完全にあたりは暗く、さっきまでいた夫婦も帰ってしまった。
堤防はガランとしてネコだけが元気に走り回る。



ニャーーー!!ニャーーー!!




少し気になって見ているとと2匹のネコが自分の後ろで喧嘩を始めてる。


それだけだったらいいんだが、物凄いスピードで追いかけられたネコが逃げようと岸から2mほどある船の船首に
ジャンプしたその直後だった。


ゴン!と船首のタイヤにぶつかったあと、バシャーン!!!って海に落っこちた。(笑)
え?ネコって泳げるのか?と普通に疑問に思ったが、堤防の際を器用にネコかきして泳いでる。


そこで、「へ〜」を30押しくらい。
また使えない知識が増えちまった。


で、ちょ〜い ちょ〜い ちょ〜い の ス〜 の グン!


なんとなく要領を掴んだ感じ。
アタリの出るタイミングとアタリをとるタイミングが合うとなんとなく分かってくる。


お気づきかもしれないが僕のズボンが変わってるのに注目!
なんでかっていうとあの憎きブヨの仕業です。
この時すでに両足合わせて40箇所は刺されてる。(痒!)
どういうわけか靴下のちょうど切れ目付近ばっかり狙ってくる。
なので痒さに限界がきて足首を隠せるもんに変えたのでした。


また、ちょ〜い ちょ〜い ちょ〜い の ス〜 の クン! おや?
今度はかなりベビーサイズのよう。


かなり小さいアオリかと思ったらアカイカ。
通称(おつまみ)?って言うんですかね?


なんとこの次の1投目でまた何かが乗った。


ちょっとかわいいけどアオリイカGETです。

そのあと潮が動かなくなると音沙汰なし。
ジアイが終わったようなのでこの日は終了した。



翌日も同ポイントへ向かう。
が、なにやら堤防の様子が昨日と違う。
近づいていくとそこにはずらっと20人ほどの釣り人でひしめいている。
そのうちの半数近くが電気ウキのアジの泳がせでアオリを狙っている人だ。
情報が回るのが早いのかたまたま休日とあって人が多いだけなのかわからないが、
しばらくすれば帰るだろうと待ってみたがそんな気配も入る隙間もなく、他の堤防もすでにいっぱいなのでこの日はパス。


また次の日、同じ場所へ向かった。


途中、道の脇に咲く紫陽花を見ながらポイントへと急ぐ。

超満開です。

(日陰のはこれみたいに色が薄いけど日向のはかなり綺麗な発色をしてる。)


もしかしたらまた、ずらっと釣り人が並んでいるかもしれないと頭をよぎったが着いてみればマメアジ釣りのおじさんが一人だけ。
昨日のはなんだったんだと思えば思うほど不思議でしょうがない。


夕まずめ、あたりが暗くなり、漁港に明かりが灯るとどこからともなく何かがやってくる。
潮が効いてる時間帯、エギを投げてると明暗部やウィードの切れ目で60cmくらいのシーバスかと思わせるボフッ!
という捕食音と水面が盛り上がる。
そいつは灯りにあつまったアジを目にも止まらぬ速さで喰らいつく。
よくよく目を凝らして見てみると5、60cmほどの魚だ。
しかも3匹が対になって泳いでる。



ん???



何か違う。
3匹の魚じゃなくて1匹の魚の左右に羽が生えている!!
と、トビウオだ〜!
とっさにタックルケースを取り出してルアーを着けてキャスト。
が、見向きもしない。


ま、また使えない豆知識が増えたところでアオリ狙いに戻す。
その常夜灯の下に集まるアオリもいるが全部小さい。
地元の子供にアオリ情報を聞きながら見えるイカを釣ってみる。
集まったイカは5,6匹ほど。
これがなかなか釣れない。
意地になって小さいの相手に釣りしてる間にジアイはどんどん過ぎていく。
なのにこんな小さいのも釣れないのが悔しい。


ちょいちょいとやってサスペンドさせるとス〜とよってきてやっと1パイのイカがくっついた。
クンクンと引いたところで抜きあげる。

(これがコロッケってやつですかね??)


それにしても釣ったばかりのアオリってべっ甲みたく美しい。



それから小さいのが切れたウィード群とともにどこかへ行ってしまったので普通にしゃくる。
ちょ〜い ちょ〜い ス〜 の ク〜ン のよし!でヒット!
ジジジッ!ってちょっとドラグが鳴る。
十分引きを楽しみ慣れた手つきでネットイン。



この1パイで十分満足し、この釣行を締めくくって終わりにした。